人材不足と採用の条件
人材不足と企業の採用条件についてです。採用が決まらない人がいるにもかかわらず、人材がいないことが問題視されている業種もあります。産婦人科や小児科は医師の数が絶対的に足りず、大きな問題になっています。
仕事の内容がきついこと危険性が高いことなどが理由です。勤める医師が確保できないことが原因で、閉鎖してしまった病院も存在します。それぞれの病院は、医師の人材を得るために様々な工夫をこらしています。
遠隔地の医師不足はより難しい問題です。医師の採用の際は好条件を約束したり、採用後もできるだけ高収入になるよう努めたりと病院側も四苦八苦しているようです。将来的には、介護や福祉に関する仕事の量が増えて、人材を確保しなければならない状況になるでしょう。
介護や福祉に関わる仕事は待遇が良くないという先入観があり、仕事につく人がいない状況です。採用活動を盛んに行っているにもかかわらず、職を離れざるをえないという人が多いようです。
企業側も、人材を確保するためには給与の引き上げなどを行いたいものですが、介護保険などを含めた様々な問題が絡んでおり、一筋縄ではいきません。
人材を採用したくても資格が必要だったり資格を取るには、一定の実務経験が必要です。誰でも簡単に採用するわけにはいかないところも、なかなか安定した人材採用につながらない原因になっています。
仕事の選択とミスマッチによる離職について
転職や就職を考える時には、まず自分がどんな仕事につきたいかを考えることが大事になります。近年では、求職者に対して求人の数が多く、仕事選びの選択肢が増えています。それにも拘わらず、大卒の新入社員の30%が3年以内に会社を辞めると言う状況が続いています。
新卒社員が長続きしない要因の一つに人材を育成せず酷使するだけの企業の存在があるともいいます。仕事の担い手が現象している昨今では、企業としてもせっかく入ってくれた人を率先して手放すようなことはしないでしょう。
労働者のほうに理由があって、長く働けないというケースもあるはずです。すぐに仕事を辞めてしまう人が多い原因の一つに仕事の内容ではなく会社の知名度や規模で、就職先を決めていることが指摘されています。
もともとは、自分が働きたい職業を見定めた上で、そのための会社を選ぶことが大事です。自分の希望する職種を選択し、いくつかあるならその優先順位を付ける事を最初に行う必要があります。
就職活動を続けていくうちに仕事選びと会社選びの優先度が逆転すると働き出すまでミスマッチに気づけません。最初に会社が長続きしなかった理由に所属することになった部署が思っていたところと違っていて、働く意欲を失ったというケースもあります。
会社を選ぶ時には、できるだけ詳細に情報を集めてじっくり分析をしておき、就職後に想定外の事態が発生しないように対策を立てておくことが大事です。
大企業と中小企業における新卒の採用数の違いについて
企業の求人に対して、新卒者の応募がとても少なく、学生は選び放題だと言われていることは正しいのでしょうか。高校、大学の新卒採用が非常に好調で、かつてないほどの売り手市場になっていると言われています。
かつて、バブル社会以後の日本は求人倍率が伸びず、大学を卒業しても働き口か見つからないという状況になっていましたが、現在はその時とは全く状況が変わっています。
ですが、蓋を開けてみると新卒採用率は非常に高かったのは事実ですが、新卒の学生たちが入社したいと思う会社は一極集中であり、大手の一流企業に人気は集中しているのです。
学生側の体感としては、少ない採用枠を奪い合って、できるだけいい企業に入りたいという思いは、差がないようです。新卒採用数は増加していたとしても、一流企業の採用数は横ばいもしくは採用減となっていることが多いようです。
高い人気を誇る企業への採用を望んだとしても、倍率が高ければ、思うような結果が得られない学生がとても多くなります。また、学生の多くは中小企業には目を向けようとしませんから、中小企業はますます人材不足に陥ってしまうのです。
この結果、中小企業は新卒の学生を採用することができず、大企業は応募者が殺到するといういびつな構図ができあがります。いずれにしても新卒の採用に関しては、決して楽観視をしていられる状況ではないことだけは確かのようです。
このように売り手市場といっても決して気楽な状況とはいえません。学生も早くから就職活動に備えた準備をしていく必要があるでしょう。
